KAERU-NO-UTA

ソプラノ 佐々木美歌 のんびり日記

Hyperballad

Hyperballad

 

Live on a mountain

Right at the top

There's a beautiful view

From the top of the mountain

Every morning I walk towards the edge

And throw little things off

Like:Car parts, bottles and cutlery

Or whatever I find lying around

It's become a habit

A way to start the day

 

山のてっぺんに

住んでいるの

山のてっぺんからは

綺麗な景色が見えるの

毎朝、私は崖まで歩いて行って

他愛もないものを捨てるの

例えば、車の部品や瓶や食器や

私が見つけた周りに転がっているもの全て

それが1日を始めるための

習慣になっているの

 

I go through all this

Before you wake up

So I can feel happier

To be safe up here with you

 

いつもこういうことをしているの

あなたが起きてくる前にね

そうすると私はより幸せに感じられるの

あなたとここで安全に暮らせることを

 

It's early morning

No one is awake

I'm back at my cliff

Still throwing things off

I listen to the sounds they make

On their way down

I follow with my eyes 'til they crash

Imagine what my body would sound like

Slamming against those rocks

When it lands

Will my eyes

Be closed or open?

 

誰も起きていないくらい

朝早くに

私は崖に戻って

色々なものを投げ続ける

落ちていく物の

その音を聴いているの

それが落ちて粉々になるまでずっと

もし、私の体があの沢山の岩にぶつかったら

どんな音がするんだろうってイメージするの

そうなったら

私の両眼は

閉じているのかしら?開いているのかしら?

 

I go through all this

Before you wake up

So I can feel happier

To be safe up here with you

 

 

bjorkの楽曲の中でも特に好きな曲です。

「あなたとの安全な生活」の一言に、途方もない願いや絶望や希望が入り混じる不思議な曲です。

 

Ballad(バラッド)とはイギリス発祥の詩の様式で、同じ節の繰り返しがみられる民謡的な形の詩です。

 

内容は、詠み手の心情よりも会話や動作が多いそうで、ロマンスから風刺など様々なのですが、ロマンスの場合ほぼ結末において破局が描かれます。

 

このHyperballadというタイトルは、見て分かる通りハイパー+バラッドで、「度を越したバラッド」というような意味。

 

捨てても捨てても捨てきれない、二人の愛にとっては危険なガラクタを毎朝こっそり捨てて行く主人公。

 

結末は描かれていませんが、幻想的であり哲学的でありな、興味深い詩です。

 

bjorkの曲調も素晴らしい。

 

是非一度お聞きください!

 

 

2018.10.12追記

「山のてっぺん」=トップの座と考えると、さらに感慨深い詩かも、と思いました。頂点に君臨するという幸せを享受し続けるために、色々なものを捨てていく。それが本当の幸せなのかの問題提起。見方によって様々に捉え方の変わる詩、bjorkって素敵です。

 

 

Haruka.