KAERU-NO-UTA

ソプラノ 佐々木美歌 のんびり日記

親の言い付け

 

あるお悩み相談を見て思ったこと。

 

私の家は、近年稀に見る厳しい家庭です。

 

友人と泊まりにでかけたことは、数えるほどしかありません。

26歳になった今でも、どこにいるか事前に言付けているにも関らず、夜になると「いつ帰るの?」「いい加減にしなさい」と連絡が来ます。

 

それが嫌で嫌でたまりませんでした。

窮屈でした。

他の友人たちは、気軽に友人の家に泊まりに行ったり、飲みに行ったりと楽しんでいるのに。

母だって若い頃はよく朝帰りしていたのに。

付き合いがあるのに、「本当に厳しいんだね」と周りから苦笑されたことも度々ありました。

彼氏ができても、泊まりに行ったり旅行に行くのは言語道断です。

 

とにかく、それが窮屈で仕方なかった。

きちんとした反抗期すら迎えることのなかった自分が怖くなったこともあります。

 

でも、気付いたんです。

友人や恋人が大切であればあるほど、親の言い付けをある程度守ることが重要なのだと。

 

例えば、親の言い付けを守らずに友人と遊び呆けていれば、

その友人がどんなに素敵な子であっても、親はその友人を信用しなくなるでしょう。

 

例えば、親の言い付けを守らずに恋人の家に泊まりに行けば、

その恋人がどんなに真面目な人であっても、親はその恋人を不審がるでしょう。

まあそもそもこの年で、恋人の家庭の事情を汲み取れずにただ一緒にいたいからという理由で引き止め不機嫌になる恋人は、正直「自分のことを本当に大切に思ってくれているのだろうか?」とか、「この人との将来は考えられない」と思ってしまうでしょうけれど・・・

 

私の身を本当に心配してくれる親を大切に思っているからこそ、できないことは沢山あります。

私も、どんなに窮屈であっても、友達や恋人と一緒にいたくても、我慢し続けてきました。

でもそれは、親の言い付けを守ると同時に、友人や恋人の立場を守っているのだと、今では自覚しています。

親に、「私の周りにいる人は、こんなに素敵な人たちばかりなんだよ」と、そう安心して欲しい。

 

さて、本題はここからです。

実家暮らしの女性にとって、実家にいなければならない理由は様々でしょう。

職場や学校から実家が近いから。

一人暮らしをするお金がないから。

親が心配だから。

 

正直、26歳にもなって実家暮らしは、少し恥ずかしいです。

自分の将来の道すら、親に仕立ててもらっている気がするほどに。

周りから自立していないと思われても仕方ありませんし、

世間知らずだと自分自身分かっています。

※実家暮らしの方全てがそうだとは思っておりません!飽くまで自分のお話です。

「よそはよそ、うちはうち」という言葉ではもう片付けられないほど、

私は世間知らずです。

親に甘えてもいます。

だから、本当は早く巣立ちたいと考えています。

お金を稼ぎ、生活をすることが、どれだけ大変なことか。

親がどれだけ苦労をして、自分達を養ってくれているのか。

頭では分かっているのに、実感できていないのが現状です。

 

今年の抱負は、「いい人」になることですが、

「いい人」の要素として、「自分のことに責任の持てる大人」という事柄が入っているのではないだろうかと、ふと思いました。

実家暮らしをされていても、自立された方はもちろん沢山いらっしゃると思います。

でも、私にはどうしてもそれができない。

半年でもいいから、家を離れてみたい。

離れて、親の事や自分のことを、じっくり考えてみたいと、今は思います。

自分が本当にやりたいことは何なのか。

親のありがたみとは一体何なのか。

自分がどれだけあまちゃんだったのか。

 

私の身体には、子どもを作ることのできるリミットがあります。

でも、ただ「子どもが欲しい」という気持ちだけでは、片付けられない年齢になったのもまた事実です。

子どもを生んだ先に、自分がその子を育てられる甲斐性があるのか。

一人の人間を育てるために十分な大人としての力量があるのか。

子どもだけではありません。

生活環境が同じではなかったパートナーを支えられるだけの度量だって必要です。

その上親は常に子の手本です。

素晴らしい手本に、果たして自分がなり得るのだろうか。

リミットがある分、最近はそんなことを考えることが多くなりました。

そう考えることができるのも、病弱で要領の悪い私を、全力の愛情で育ててきた家族がいてくれるからだと思っています。

子どもを、家族を身を削って養ってくれる両親が手本だからこそ、こうやって考える事ができるのだと思います。

 

そんな両親の期待を、裏切れるはずがありません。

 

家族も、友達も、恋人も、私にとっては順位なんてつけられないほど大切な存在です。

そんな大切なもの同士が不仲であるなんて、耐えられない。

そしてその不仲である原因は、全て自分にあるものなんです。

不仲にさせるのも、仲良くさせるのも、全て自分次第。

※決して今家族や周りの人たちが不仲なわけではありません。

 

大切な人を守れる人になりたいです。

 

Haruka.