KAERU-NO-UTA

ソプラノ 佐々木美歌 のんびり日記

日本語



日本語って、本当に美しい。


日本歌曲にあたらせていただいて早10年。


大した年月ではありませんが、そんな年月の中で常に感じるのは、冒頭の一言。

日本人だからこそ分かる、日本語の美しさについてよく考えます。


それを世界に向けて表現することって、もしかしたらとても難しいことかもしれないけれど。



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"一つ一つの言葉を支える世界像(世界観)を考えることなしには、その[万葉集の和歌の]しくみを解き明かすことはできないと確信するに至った。"

多田一臣さんの【万葉語誌】のあとがきです。



日本語は世界的に見ても特殊な言語で、書き現わすのにひらがな、カタカナ、漢字の3つの形を要する言語ですよね。


万葉集の語彙は和歌の言葉という限定的なものらしいので、祝詞や漢文の世界とは扱いが違うみたいなのですが、一つ一つの言葉が大きな世界を有していることに変わりはありません。


昔から、"言葉"に関してずーっと疑問と興味を抱いてきた私で、そちら方面の研究者になってみようかなと思うほどでしたが、考えてみれば"言葉"を扱うのは歌い手も同じ。


音楽の中で唯一言葉を扱うのが、歌なんですから。



原始的で、直接的な楽器ですよね。




日本語に限らずどの言語も同じように、深遠で美しい秘密を湛えているのでしょう。



amor(愛)をひっくり返すとRomaになるとか(笑)

違いますかね(笑)





言葉って哲学なんですね。







Haruka.